かなり久しぶりの投稿となってしまった(笑)。

実は子供が産まれたり、教室のリニューアルがあったり、
教則本の製作にかなり手間取っていた為である。
いざ完成したと持っても訂正や本文の追加、付録の追加などが
予想以上に多くなってしまった。
値上げしたいくらいである(笑)。

また、タイトルを決めるのにも
あーでもないこーでもないとずいぶん悩んだ。

検索しやすいタイトルにすべきか?とか、
購買意欲をそそるタイトルにすべきか?とか、
売れてるノウハウ本のタイトルをパクろうかな?とか(笑)。

熟考の末、やはり嘘偽りの無い(当たり前だが)言葉にしようと思い、
『ジャズ道場』というタイトルに決まった。

実際、ジャズのマスターには
難解な理論の学習や演奏技術の地道な鍛錬は必要であり、
お手軽に自分の望む結果を得られる事などまず有り得ないからだ。
そんな意味をこめて『ジャズ道場』と体育会系的にしてみたのだ。
(実は私は小学生から中学まで柔道をやっていた)

『ジャズ道場』と言うからには『柔道』や『剣道』のように
『ジャズ道』と言う『道』があたかも存在しているのが前提となっているのだが
果たして『ジャズ道』とはどんな『道』であろうか?
古今東西のジャズメンはこの道の探求に
その生涯を費やしているといっても過言ではない。

『ジャズとは何か?』という定義は、それこそ今まで数多くの批評家や評論家、
ジャズミュージシャン自身がしてきているだろう。

なのでここでは『私が思うジャズ』というス〇ィングジャー〇ル誌に寄稿される
ありきたりなエッセイのタイトルのような視点から書いてみようと思う。

私の尊敬してやまないミュージシャンの一人に
森田一義(通称タモリ)という方がいる。
氏はその伝説となるであろう『ヨルタモリ』という番組において

『ジャズというジャンルはない。ジャズな人がいるだけだ。』

という名言を残している。

なるほど。かのマイルズもジャズとカテゴライズされるのを嫌った。
ではジャズな人とはいかなる人か?
番組の中で同氏は『スウィングしている人』と言っている。
ラーメン屋のオヤジでもスウィングしてればジャズなのだと。

ここで

『ラーメン屋のオヤジはインプロヴィゼイションをするのか?』

という疑問が発生する。

確かに、ラーメン屋のオヤジに
『ふわとろ卵のオムライスを作ってくれ』と頼めば、
そこそこのクオリティのものを作ってくれるかもしれない。

なぜならラーメンを作る所作が人を魅了するほどスウィングしているくらい
充分なキャリアとセンスを持っていると推測されるからだ。
おそらくはその『まかない』も旨いであろう。

しかしどうであろう?
森田氏にとってジャズな人とはインプロヴィゼイションの有無でなく、
自分のスタイルを持ち、それを自らも楽しみ、
周りの人をも魅了する人という意味ではなかろうか?
森田氏はこうも言っている。

『ジャズな人って言うのは向上心の無い人のことなんだよね。』

つまり目標を設定し、それに向かって努力をする人でなく、
それが好きで好きでたまらなくて、それに没頭して
結果、卓越したスキルを身につけ、人々を魅了する人という事であろうか。

そう考えると私が常々思っているジャズ道というイメージと
しっくり重なるのではないかと共感したので
以下に『私が思うジャズ』な人のポイント、条件を上げていこうと思う。

1、無条件にカッコイイ。
  無条件にというのはそれが音楽理論的にOKかNGかとか
easyか高尚かは関係なくという意味合いだ。
  たとえばデズモンドの『プフゥ~。』ゲッツの『バホッ!』、
  ショーターの『ピギャー!!』もロリンズの『ドッドドドー!』も
  理論はともかくカッコイイのだ。

2、他の追随を許さない。
  たとえ同じようなスタイルの人が他にいたとしても
  レベルがダントツでぶっちぎりという意味。
  松崎しげる氏などは『声量がハンパ無い色黒な人』という
  複合ジャンルにおいては他の追随を許さない域に達している。

3、印籠を持っている。
  水戸黄門の印籠のように鉄板ネタを持っているという意味。
  ナイツの漫才の『ヤホー』、ダンディ坂野の『ゲッツ!』のようなに、
  鮮度も関係なく安定しており、そのネタ(フレーズ)とその人が
  すでにイコールと言えるほど認知され、且つ求められている人。
  いわゆる『パーカーフレーズ』、『ブレッカーフレーズ』見たいなもの。

4、リスキーである。
  たとえば江頭2:50氏のように先が読めず、
  破綻すら内に秘めた緊張感に満ちている人。
  先のダンディ坂野氏らとは真逆のテイストの人である。
  60年代のロリンズや晩年のコルトレーンのような人。

5、独自の世界観を持っている。
  上記の全てに当てはまるかもしれないが、
  その存在自体がワンアンドオンリーで、
  何をやっても成立してしまうくらいのエネルギー、
  プレゼンスを持っているマイルスや現在のショーターのような状態。

以上、あくまで私個人の考えるジャズな人の条件であるが、
こんなことをあげつらうと
『素人にこんな条件満たせるか!』
とのご意見も有るかと思う。
『ジャズ道場』を購入し学んだ所で、
こんなに敷居の高いところに達するわけが無い。
と諦めてしまうかもしれない。

確かに、多くのジャズマンは
演奏技術や感性を長年、研ぎ澄ました結果、
このような境地に達するのであろう。

が、しかし、アマチュアであっても、高い演奏技術が無くても、
独自の視点、アプローチによって
インプロヴィゼイションをする事は可能である。
全ての人がマイルスやショーター、コルトレーンの様に
複雑化と高度な技術→抽象的でシンプルな表現。
という過程を経なくても良いと思うのだ。
ピカソでなくジミー大西もありなのだ。

ジャズとは個人の内面を吐露する音楽だ。
先人の言葉を学ぶ事は大事であるが、
先人の言葉を全て覚えなくても良いのだ。
ハンコックの言葉を借りれば、

『脳の記憶を司る部分に手術を施し、または筋肉の記憶を遮断し、
脳の働きより直感を優先させること』

である。
であるならば、アマチュアジャズマンが為すべき事は自明である。
『直感(観)力を磨け』だ。

次回はその『直感(観)力』を磨くためには
何をすべきかについて書きたいと思う。





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