『ジャズのアドリブの練習法でいい方法は有りませんか?』とよく質問されます。
一言で応えるならば『自分に合った練習法を探しましょう』言うことになるかと思います。
それは『勝手にしろ』と言うものではなく、『自分がどんなプレイヤーになりたいか?』を
決めることだと思います。
インプロヴィゼイション(即興)には2つの側面があると思います。
1つはいわゆる『Lick』です。
ツーファイブなどの良くあるパターンに対して予めフレーズを仕込んでおいて
そのコードやサウンドに合わせて再現してプレイする事です。
厳密に言うと記憶の再生です。

もう1つは本当にある音やフレーズが浮かんでくる場合です。
しかしこれは『ひらめいた!』と言ってももしかしたら過去の記憶の再現かもしれません。
仕込んだフレーズでは無いかも知れないけれど、どこかで聴いたフレーズかもしれません。
ですので違いは意図的に仕込んで意図的に使っているか否かという1点だけかもしれませんね。

『Lick』の練習法は簡単です。ひたすら仕込むだけです。
コツとしてはただ譜例を見て反復練習するだけでは効果的であはありません。
必ず曲のPlay along(カラオケ)を使いましょう。
そして他のコードでも使えないか?とか
リズムを変えて活用形としてヴァリエーションも作ったりなどして
派生的に語彙を増殖させましょう。

私の教本ではLickをアナライズしてコマンドという単位に分けて
コマンドを変えて4種類ほどをセットで覚えてもらっています。
その一部はすでに教本に収録されておりますがいずれ
『ツーファイブの達人(仮)』として発売するつもりです。


さて、もう1つのアドリブのアプローチである本当のひらめき、即興の
練習法ですがこれはスケールやコードの基礎練習やヴァリエーションを
ひたすらパターン化してその音の連なりやサウンドに
『名前をつけて保存』することです。
例えば、コンディミのこのウネウネしたシーケンスパターンは
『機械的で混乱しているフレーズ』だとか
このオルタードの三連符を伴う下降形は
『腑に落ちた感じ』だとか
このホールトーンの4つ塊の上昇形は
『魔法をかけているみたい』だとかです。
そうやって右脳のイメージフォルダに入れておきましょう。
それでアドリブの際にいざ表現したいときに
引っ張り出しましょう。
私はあるコードに対して何度の音をプレイするのか?
と言う単位からレッスンで訓練させております。
Amにおいて
寂しい音は何度か?
切ない音は何度か?
寂しかった音は何度か?
悲しさが吹っ切れた音は何度か?
Cのコードにおいて
パステルピンクは何度か?
パステルイエローは?
パステルイブルーは?
などです。
これらに決まった答えは有りません。
その人なりの答えでよいのです。
それも経験とセンスの向上により変化して行きます。
大事な事はラベリングにより使い勝手が良くなる事です。

アドリブとは記憶の再生大会ではありません。
アートです。
円周率を何桁まで覚えたか?とか
徳川将軍何人言えるか?の大会ではありません。

しかし、世に出ている教本は
ツーファイブ1001フレーズ集!とか
これを覚えればアドリブいらず!とか
そんなものばかりです。
芸術(アート)をビンビン感じる練習をしましょう。

おススメの教本です↓
『ジャズ道場』シリーズ←全然アートな名前ではありませんな(笑)