渦男のジャズ道場

八王子の音楽教室ミュージックサロンア・ミューズのサックス講師 網 渦男のブログです。 サックスに関すること、ジャズに関することなどをまとめております。(旧さきこら)

2017年05月

前回の記事でジャズのアドリブのマスター法に関して
①Lick manになるにはフレーズを沢山覚えれば良いと書きました。
もう少し詳しく説明するとあるコード進行に対して運用可能なフレーズを大量に覚え、
そのコード進行に従って適時使用可能なフレーズを紡いでプレイしていく
と言う事です。
これは簡単なようですが実は自然にフレーズを連結させていくには
それなりの、というか気の遠くなるような練習が必要です。
1文1文は完成されていても、ただ単にフレーズを連発してはストーリーがつながらず、
バラバラな散文になってしまうからです。ですからLickで紡ぐにしても、
前後の流れ、必然性、ソロ自体の構成を考えつつパーツを組み立てるようにすることで
クオリティを挙げていくわけです。
フレンチのコース料理のように一つ一つは完成されつつも一貫した流れ、
コンセプトがあるようにソロが発展していけば素晴らしいソロになるはずです。
ですのでLick manスタイルには構成美、様式美のセンスが必要と言えます。

さて一方Improviserになるにはどうすればよいのでしょう?
Lickは既存の言葉の使い方ですがImproviserは『言葉』そのものから
想像していかなければなりません。
例えば一般にDm7→G7→Cと言うコード進行なら
『このような既存フレーズがあるだろう』
という皆が持っているリストの中から選択してプレイするのではなく、
『一般にはこんなフレーズがあるが自分は本当にそれを伝えたいのか?』
と言う問いを瞬間瞬間、己に問うていかないとなりません。

オーネット・コールマンのように初めからImproviserだった人は
そのリストすら所持しようと思わず、
純粋に素のままでプレイしていたかも知れませんが。

新主流派と言われるImproviserは恐らくは当初はモダンジャズの語法である
ビバップでLickによる手法を一度は学んでいたりするわけです。

そもそもLickによる手法が発展したのは1940年代後半からの
チャーリー・パーカーを中心としたビバップのムーヴメントにおいてです。
ビバップは『for musician』の音楽です。リスナーは置いてけぼりです。
即興の技比べなので如何に高速で難解なコード進行を攻略できるか?
が勝負のアスリート的な音楽です。

後に新主流派の中心人物となるマイルズ・デイヴィスも当時その渦中にいました。
しかし、マイルズは即興を追及したビバップが成熟するにつれそのアドリブの内容が
その機能性を重視した為に機械的に単調になっってしまった
(合理化の追求により皆同じようなフレーズをプレイするようになった)ことの反動で
1949年に白人達(主にレニー・リスターノ学派)によりメロディアスでリズムを控えめにし、
理知的なクール・ジャズを誕生させます。(参考⇒“Birth of the Cool”)

さらにマイルズは1951年には“Dig”と言うアルバムでソニーロリンズや
ジャッキー・マクリーンを迎え、ビバップの新しい形『ハード・バップ』
と言うスタイルへと進化してきました。この頃はまだマイルズ自身、
ソロでLickを用いてはいますが、ビバップの頃と比べると早くもLickの呪縛から
のけ出ようとしている演奏を確認する事ができます。


その後、ジョン・コルトレーンを迎えたマイルズ第一次黄金クィンテットの
歴史的な華々しい活動を経て1958年にはセクステットによる『マイルストーンズ』
を吹き込み、これが歴史家の間では『モードジャズ』の誕生とされています。


モードジャズとはコードでなくモード『音律』によってアドリブを生成していく手法で
コードにフレーズが紐付いているビバップの手法は余り役に立ちません。
そもそも美しいメロディをリリカルにプレイしたかったマイルズはこの手法を好み、
ギル・エヴァンス、ビル・エヴァンス、コルトレーンと共に発展させました。
この時点でマイルズ自身は曲やアルバムにもよりますが、
ほぼLickによらないプレイに切り替わっております。

“Learn all that stuff and then forget it.” (すべて学び、そして忘れろ。)

これは次々にスタイルを変え、彼のスタイル自体がジャズの歴史となったとまで言われた
マイルズの名言です。

またLickを捨てた彼を非常に良く表したこんな言葉もあります。

Don’t play what’s there, play what’s not there. 
Don’t play what you know, play what you don’t know. 
I have to change, It’s like a curse.

(そこにあるものではなく、ないものをプレイしろ。
知っていることではなく、知らないことをやれ。
変化しなければいけない。それは呪いのようなものだ。)

このようなマイルズの生き様から
真のImproviserになるべき道が見えてくるのかもしれません。
私自身はLickが使えなくなったので今自分が何を表現すべきか?
というフィルターの他にもうひとつ、
『未だ不自由な左手でなにが表現できるのか?』
というフィルターがかかってしまうのですが(笑)
私が教えているようなアマチュアミュージシャンの方に対しては
フレーズはシンプルに。ニュアンスは豊富に。と申し上げております。
ビバップがお好きなら自分がどれだけ速いテンポで難しいコード進行を
クリアできるか?という事をターゲットにしてもかまいませんが、
『無理せず即興を楽しむ』のであれば
ダウンロード


のように単純な言葉で言いたい事を伝えればよいと思うのです。
一生懸命にLickを覚えて、左脳をフル回転させてコードに必死で応戦するよりも
言いたい事をいいましょう。
その際にマイルズのようにニュアンスをしっかりこめてプレイしましょう
相田みつをもゴシック体でプリントアウトだったら味がありません。
肉筆だから伝わるのでしょう。
その為にいろんなプレイヤーのニュアンスを
ウェルニッケ野をフル稼働させて『模倣』して、
表現方法、奏法を学びましょう。
名セリフも棒読みやロボット音声だったら台無しです。
次回はそのようなニュアンスのコピーについて書いてみたいと思います。



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前回の記事で言語としてのジャズとアートとしてのジャズ
という2つの視点から『模倣』の重要性について書きました。

そこで今回は『ジャズの言語的側面』について、
私自身の拙い体験も交えながら思うところを書いてみたいと思います。

ジャズに於けるアドリブ(即興)の習得が
言語の習得と似ているとはよく言われることですが、
実はこの2つは似ているどころか
『言語とは音楽が進化して生まれたものである』という考えがあります。
これ→参考サイト 

言語が生まれる前、音楽は恐らくは信号のような伝達手段でした。
太鼓のようなモノをたたいて危険を知らせたり、
ある種の声(フレーズ)などを使ってお互いの居場所を知らせたりしていたでしょう。
ターザンの雄たけびのような声は他の動物のコミュニケーションにも見られます。

かのストラヴィンスキーは
『音楽とは音程をコントロールする事である』
と言っています。
私は『音程』の部分を『リズムも含めた複数の音』と付け加えても良いのではないか
と思っています。あ、でもモールス信号は音楽では無いか(笑)
やはりストラヴィンスキーが正しいのかもしれませんね(笑)。

つまり音楽は脳の言語中枢とほぼ同じ部分によって情報処理がなされるのです。
歌詞の有無に関わらず。です。
恐らく太古の人類は音の高低、テンポ、音色などのニュアンスによって
そのメッセージを解読しようとしたのでしょう。
上昇するメロディーや速いテンポは気持ちを高ぶらせ、
下降するメロディーや遅いテンポは気持ちを落ち着かせ、
硬い音や鋭い音に緊張感を感じ、
柔らかく甘い音にリラックスしたのでしょう。

言語の初期の段階では、語彙も少なく文法的なものはシンプルだったでしょう。
大事なのは言葉の数ではなく『ニュアンス』だったはずです。

前回の記事の最後に私は
『説得力とは情報量である』と書きましたが、
言葉の数、音の数は少なくてもそのニュアンスの情報量が多ければ
説得力は増すのだと思います。と書きました。

このような言葉や音の『ニュアンス』を汲み取るのは
脳の言語中枢である『ウェルニッケ野』です。
一方言葉の意味自体を把握認識したり文法を組み立てているのは 『ブローカ野』です。
この2つを繋いでいるインターフェイスが『弓状束』です。
『ウェルニッケ野』を損傷した人が
『かくしごとでししょうがおこったばあいは…』
と聞いたら
『各仕事で支障が起こった場合は』なのか
『隠し事で師匠が怒った場合は』なのか
判断が難しいかもしれません(笑)

私は2011年に脳卒中を患い、右脳を損傷してしまいましたが、
その際に『ブローカ野失語症』にかかりました。
その時の写真↓患部は左に見えますが実際は右脳です。
mini


ブローカ野を損傷すると
『かく…し、しごと…に、おこった…で、ば、ばあい?ししょうを…』
のように単語も思い出せなくなり、語順も正しく並べられなくなります。

しかもブローカ野は顎や舌、喉を使った発音やイントネーション、
手話の場合は手の動きなどの運動記憶をつかさどります。
私は当時頭に思い浮かんだ言葉が上手く発音できませんでした。
私の仕事はサックスの講師ですので致命的損傷です。
サックスの吹き方を忘れてしまっていたのです。
しかし、私の側頭葉には『サックスの吹き方』という情報は沢山蓄積されておりました。
語彙とリンクした運動記憶は遮断されましたが、倉庫には情報が残っているのです。
私の脳は私の体にレッスンを施しました。なんとか音が出せるまでに1年の月日を費やしました。
(まだ左手に麻痺は残るので完全復活にまではいたってませんが)
話を戻しますとブローカ野は主にアウトプット、ウェルニッケ野はインプットで活躍します。

ウェルニッケ野⇔弓状束⇔ブローカ野この信号の受送信により
会話が為されています。

さて、先に述べたように言語の発達はこのような音楽を楽しむ(聴く演奏する共に)時と
同じ脳によって為されたわけですが、ここでジャズ(アドリブ)のマスターを
英会話のマスターに例えて考えてみたいと思います。

…とその前に

ジャズに於ける即興のシステム、メカニズムとはどのようなものなのか?
もしかしたら『あーゆーのは天賦の特殊な才能でしょ』と思っている人も
いるかもしれないので先に簡単に確認しておきたいと思います。

ジャズの即興のアプローチをざっくりと二つのタイプに分けると
①Lick(常套句)によるもの(Lick man)
②インスピレーションによるもの(Improviser)

に分かれます。
①は言語、例えば英会話でいうと
重要構文を沢山覚えてコミュニケーションするような場合です。
②は単語の意味は知っていてそれをプレイヤーそれぞれの方法で伝える…
(…であってるかな?)
ような場合です。…としましょう。異論は甘んじて受けます(笑)。
あくまで私個人の見解ですが、②はその人その人の語法があると思います。
スタイルの『独自性』『独創性』です。

Wayne ShorterとOrnette Colemanは共に②、つまりImproviserタイプだと
私は思いますが、2人の語法は違います。似ていません。

一方、Charlie ParkerとSonny Stitt、Michael BreckerとBob berg、
などは似ています。語法や語彙、フレージングが同じ部分が多いのです。
Sonny StittはCharlie Parkerの影響を受けました。
言ってみれば師弟関係のようなものです。
Michael BreckerとBob bergは同じ『ポストコルトレーン派』と呼ばれる
同世代のミュージシャンでコルトレーンのスタイルを発展させた人たちです。

ジャズの歴史とはこのようにある偉大な先人がそのスタイルを構築し、
それが『すげー、超カッコ良くね?』となってみんな『模倣』始め、
その中でその語法が分析、研究され、体系化されて、学びやすくなり、
後人がさらにそれを進化、発展させてきた歴史だと言えましょう。

その過程が前回触れた『守・破・離』であったりするわけですが、
②の場合、学習は体系化、パターン化されているので学びやすいのです。

最近はわかりませんが私が学生の頃30年くらい前ですが
英語は『リーダー』と『グラマー』に分かれており、
リーダーではとにかくテキストの音読と構文の反復ばかりさせられました。
これはいわゆるミシガンメソッドと言って
『意味は解らんでよいのでとにかく反復しておぼえなさい。』という教授法です。
ジャズのマスターに於けるLickの暗記に当たるでしょう。
一方、グラマーは文法講義、これはジャズのマスターにおける
理論書の学習に当たるでしょう。

興味深い事に私の知る限り
学校の英語学習のみで英会話をマスターした人は極めて少ないのと同様、
独学でジャズのアドリブをマスターした人は極めて少ないように思われます。
逆を言えば学校の英語学習のみで英会話をマスターできるような人は
独学でもジャズのアドリブをマスター出来るかもしれません。

これらは脳の同じ回路、システムを使います。
言語の習得もアドリブの習得も共に
『新しい語彙』を増やし、様々な『表現、文法』を覚え、使いこなす作業です。

『新しい語彙』は聴覚や視覚から入り、
ウェルニッケ野から弓状束に伝達され海馬に一時保管されます。
そこでワーキングメモリー(忘れる記憶)と
エピソードバッファ(忘れにくい記憶)に分かれることになります。
ワーキングメモリーとは例えば電話番号を聞いてメモらずに一時覚えておく時や
試験が終ったら忘れる知識(笑)などです。
自分に重要でなくなったら自動的に削除されてしまいます。

それに対してエピソードバッファは印象の強い思い出などです。
『小学校のマラソン大会で1位を取った』などの鮮明な記憶です。

昔の英語教育は受験が目的の構文暗記と文法学習ばかりだったので
受験や試験が終れば忘れてしまうワーキングメモリーに保管されていたのでしょう。
『February』が『Febrary』になってても気が付かないかもしれません(笑)。

このように新しい語彙や語法を使いこなす為の記憶の定着には
エピソードバッファによる保管を強化する事が必要です。

それにはその語彙や語法をアウトプットする事で聴覚から
ウェルニッッケ野にフィードバックされる事だけでなく
何らかの思い出『エピソードバッファ』が必要です。

例えば『この曲でこのフレーズを沢山使って覚えた』とか
『このコードを見ると(聴くと)不思議な気持ちになるのでこのフレーズが浮かんでくる』などです。

私のレッスンではそのような『エピソードバッファ』を多用します。
なぜなら練習の際に覚えやすく即興の際に思い出し易いだけでなく、
演奏中は右脳が活発に働いており、意識が感覚的だったり抽象的だったりするからです。

しかし構文暗記で英語が話せるようになる人は
ツーファイブのLick(常套句)の想起と運用で左脳でアドリブが出来るでしょう。
ただしこの際、注意せねばならない事は
英語の構文だけでは正しいけれど微妙な感情が表現しにくいように
Lickの再現(どんな音をプレイするか)に依存してしまい、
表現のニュアンス(どんな風にプレイするか?)という情報量が減るという点です。

さらにLickはコード進行に紐づいている為、悲しい曲のG7のフレーズと
楽しい曲のG7のそれが全く同じフレーズと表現になりかねないという点もです。

Lickはいわゆる『手癖』的なもので便利ですが、反面呪縛でもあります。
私は脳卒中によってブローカ野を損ない、運動記憶、つまり『手癖』を遮断されました。
『Lick man』としては致命的でしたが、幸いにも『Lick自体』は
海馬から側頭葉(長期保存フォルダ)にコピペ済みでした。
つまり『手癖』の回路は封じられましたがデータは失ってはいなかったのです。

ですので『Lick man』としての道は閉ざされ、代わりに『Improviser』としての道を
進まざるを得なくなりました。
実はこれは私が40歳になったら『そうありたい』と望んでいた事でもあったのです。
脳卒中になっていなかったら私は今でも覚えたLickを
やたらとデモンストレーションするようなプレイを続けていたかもしれません。

話がだいぶ逸れてしまったのでテーマを
ジャズのアドリブのマスターに於ける
①Lick manと②Improviserの違いに戻しますと(前置き長すぎ!)
①は語彙と語法を覚えてひたすら反復し暗記し、適切な場所で運用すればOKです。
ジャズっぽくなります。フレーズごと『模倣』する事がポイントです。

②は『模倣』の対象がつまりフレーズが体系化、テキスト化しにくい場合が多いのです。
なぜならその時、その瞬間の本人のインスピレーションや抽象的イメージを
その人独自の語法で表現している場合が多いからです。
勿論そのフレーズ自体はスケールやコードと言った音楽理論に則っている場合が
多いのですが、パターン化されていなかったりするので、
表面的なフレーズ自体を模倣しても運用が利かなかったりするのです。

このタイプに必要なのは反復と暗記ではなくアナライズ(分析)です。
コピーするならば対象の『思考の流れ』をコピーすべきです。
メッセージの意味を理解しようと努める姿勢が大事になります。
なぜならその人しか使わない言語で喋っているのですから(笑)

ではどのようにしたら②のタイプのプレイヤーになれるのか?
かなり長くなってしまったのでそれは次回の『その3』で書いてみたいと思います。



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ジャズを学ぶ上で『模倣』に関しては賛否があるようです。
私はレッスンで受講生に名演のコピーを薦めていますが、
ある方から『コピーは独創性を損なう』と言われた事がありました。
そのことがキッカケで私は『独創性』とは何かと考えるようになりました。

ジャズが言語であり、アートだとするならば
その『独創性』とはどのようにして生まれるのでしょう?

まず、言語と考えた場合ですが、
我々はどのように言語を習得したのでしょうか?
恐らくは乳幼児の頃、家族から話しかけられ
『ママ』とか『ブーブー』とか簡単な名詞などの単語から
覚え始め、それが徐々に文章として使えるようになったはずです。

①単語の記憶→『ママ』『ブーブー』
②感覚的な文法把握→『』(ママ、アレは車だね)
③イントネーションの使い分け(ママ、ブーブー?→車なの?⇔ママ、ブーブー!→車だよ)
これらは全て模倣により学んでいるはずです。
模倣が上手い人間は観察力、洞察力が優れており、
表現力も長けているのです。
つまりインプット、アウトプット両方のスキルが高いのです。

私の尊敬するタモリさんは『形態模写』の芸が原点です。
タモリさんはご存知の通り早稲田のジャズ研出身です。
多くのジャズマンをコピーしたように
4ヶ国語をコピーし、洗練させ、麻雀芸を完成させたのでしょう。

先に挙げた①~③までの過程には
『音声学的に特徴を捉える』
『法則性を見出す』
『加工、変形し応用(アレンジ)する』
という情報処理能力と情報編集能力が必要となります。
この2つの能力についてはまた別の機会に触れたいと思いますが、
このように人間が言語をマスターする過程には模倣が欠かせない事が解ります。

次にジャズをアートとして捉えた場合ですが、
例えば、絵画であればデッサンが基本でしょう。
これは対象の本質やディテールに迫る為の作業です。
光と影、遠近などの奥行き、質感などの情報をより多く収集する為です。
ただ見るだけでなく詳しく、細かく、多角的に観察する行為です。
そこから表現する為に多くの手法を学びます。
それらは先人が発明し築き上げた手法で『スタイル』でもあります。
印象派、ポスト印象派、キュビズム、シュールレアリスムなどです。
このような多くの手法は手法の洗練やイノベーションから生まれました。
構築されたスタイルを肯定し、深め(高め)たり、反発したりして
新たなスタイル(価値観)が出来上がります。
ジャズの歴史もまさにそうです。

このようにジャズには
個人のコミュニケーションのツール、スキルとしての側面と
ジャズ全体のアートとしての側面があります。

前者はマスターするに当たってのヒントとなり、
後者は上級者に成長する為のヒントとなります。
しかしツールの使い方の過程でも、
スタイルの模索、構築の過程でも、
模倣は欠かせない事がわかるでしょう。

日本には『守破離』と言う言葉があります。
『守』は指導のもとに作業できる→ 自律的に作業を遂行できる(1人前)。
『破』は作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。
『離』は新たな知識(技術)を開発できる(クリエイター)
と言う事です。
ジャズのマスターとは
言語として『守』から入り、
アートとして『離』に向かう道であるかもしれません。

『破』で模倣からは脱却しますが多くの情報を模倣から学び、
アウトプットしては改良を加え、洗練していきます。

説得力とは経験を元に蓄積された情報量だと私は考えております。
『世界は広い』と言うセリフを実際に世界中を回った人が言うのと
部屋から一歩も出ない引きこもりの人物が言うのでは
言葉の重みは違うでしょう。

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