昨晩は初めてのコーラスのレッスンをさせて頂いたのだが、
まず、感銘を受けたのはメンバーの意識でした。
本当に真剣で、その眼差しにこちらがウルウルと来てしまうくらい。
私は発声やボイトレなどはズブの素人なので、そっちの方は、
専門の講師にサポート、指示を頂戴しながらやりました。
曲が結構難しい曲だったので私がやった事は
Step1 スコア、アレンジの解説
Step2 各自の【基準】の統一
Step3 オリジナリティを見出すお手伝い
でした。

モチベーションと熱意は素晴らしいので
スポンジが水を吸うが如く、
摩擦ゼロで吸収していきます。すごいですね。

『スコア、アレンジの解説』は
初心者が多い事と、楽器ではなくコーラスと言う事で、
音楽用語、記号自体に疎いという点を改善いたしました。
また、スコアという設計図が有機的に作用して
サウンドしていると言う事をボンヤリでなく
はっきり耳で理解して頂きました。
これらは『理解』なので一瞬で済む作業です。

次の『各自の【基準】の統一』は
例えば全員の『スタッカート』のデフォルトのサイズ感、
質感、音色を合わせるという作業になります。
Aさんは『タッ』Bさんは『タンッ』Cさんは『トゥッ』ってのを
『基本、デフォルトはコレにしましょ』と決めます。
そうしないと『もっと丸く軽やかに』と支持しても
バラバラにずれるだけなので(笑)
コレを『テヌート』や『mp、mf、f、ff』など
必要な要素のニュアンスを全部合わせていきます。
これは多少厄介です。それぞれの脳みそにある
データベース(情報量)がバラバラですから。
歌謡曲しか聴いた事が無い人の『>(アクセント)』と
クラシックやジャズなど幅広い音楽を聴いてきた人のそれを
合わせる微調整は困難です。しかも頭にイメージできても
『発声、奏法』ではどうすればいいか?は
感覚で出来ちゃう人とボイトレの先生にやり方を教わらないと
出来ない人もいます。
この様な事はコーラスであろうがビッグバンドであろうが、
吹奏楽であろうが、オーケストラであろうが、
アマチュアであればみな同じ障壁があるのではないでしょうか?

そして三つ目の
『オリジナリティを見出すお手伝い』はもっと大変ですが
楽しく有意義な作業です。
そのメンバーでしか出来ない仕掛け、仕込み、サウンドを
探していく作業です。

これは大きく分けてセールスポイントを強調する作業と
ウィークポイントをカバーする作業があります。
熟練者やプロ相手のディレクションは簡単です。
指示を出すだけでできますから。

初心者、アマチュアはそう簡単にはいきません。
普通は全員が同じレベルになるように成長を促すやり方を
取るのでしょうが、私はそうしません(笑)
初心者はそんな急に上手くならないのが現実ですから、
(その人を特訓するという手もありますが)
またアマチュアでもプロには無い素晴らしい瞬間が必ずあるはずです。
そこにスポットを当てる方法もあります。
幕の内弁当のおかずが全部美味しくなくても良いではないか。
どこぞの弁当のシューマイと竹の子の煮付けが好きだけど
アンズは要らないと言う人もいるし、あれが良いのだと言う人もいます。
音楽の評価は人それぞれ。
同じ演奏を聴いて『雑だ』と思う人もいれば
『人間らしくてよろしい』と言う人もいます。
『雑』を数ミリある方向に傾けて『人間味溢れる音楽』にできたら…。
いいじゃないですか(笑)
私はそういうことをします。
全部キレイに整えて型にはめ込んだらmidiで打ち込んだ方が
パーフェクトな演奏が出来ますよ。苦労なく。
人間が音楽を作ると言うことは
『不完全な人同士』がお互いに理解し、認め合って
協力して、知恵を出して少しでも良いものを作る事だと思っています。
社会もそうではないでしょうか?
私は昨日の練習の最後にコーラスメンバーに
『歌が上手くなる事も大事ですが、このメンバーでなくては出来ないサウンドを
みんなで作る楽しさと喜びを財産としましょう』
と言い残して来ました。
Dream Voiceに幸あれ!