昨日は教室のビッグバンドのサックスセクションの練習日と
フルート会員のアンサンブル練習日が重なったので、
急遽、合同新年会となりました。

そこで『AIと音楽』と言う話題でこんな議論がありました。
『AI(ロボット)は音楽で感動するのか?』
八王子の居酒屋で壮大なテーマです。

ある方は
『ロボットは音楽なんて解らないから絶対に感動しない』
ある方は
『「絶対」はない、わかるかもしれない』
あるの人は
『まあまあ、どーでもいいじゃないですか(笑)』
ある方は
『お金持ちの演奏者が金を出して
 自分の演奏で感動するロボットを会場一杯に座らせるかも』
私は
『それがビジネスになるなら、その研究はされるでしょう』


アルコールが入っているので甚だ論点がトッチラカッテます(笑)

ざっくり整理すると
①ロボットは音楽を理解できるか?(プログラミングの問題)
②感動とはどのように生まれるか?(心理学、脳科学的問題)
③何を持って感動していると客観的判断がなされるのか?(脳科学的、医学的問題)
と分けられると思います。


①は音響工学的に音楽を数値化してAIに認識させる事が第1歩です。
その上で

『どのような音楽(あるいは波形パターン)に
感動するという反応をするようプログラミングするか?』

です。

ある方は
『もう演奏が正確か否かはAIで判断できるはず』

ある方は
『正確な演奏なら感動するのか?』

一同
『・・・・・・・・・』


と言う事で、まず『感動の基準』を考えねばなりません。
つまり『何を持って感動と定義するのか?』です。
『’感動した』は自己申告ですので、
これを普遍化、一般化しなければなりません。

人間の感動を客観的に観測可能にする要素はあるのか?
思いつくままに考えてみると
落涙、発汗、鳥肌、心拍数の増加、体温の上昇、
脳内ホルモン(セロトニン)の分泌などでしょうか。
これらに変化が見られれば、ウソ発見器のように、
客観的に感動したのか測定できる事になります。
『ホントに感動したのかウソ発見器にかける』は
AIに応用できないのでNGです(笑)


次に②ですが、これは『感動のメカニズム』を考えねばなりません。
どのような情報により感動と言う反応が起こるか?です。

ただしここで『感動』と言うとざっくりしすぎて
広げる風呂敷がでかすぎなので、とりあえず独断で

『聴いただけで理由もわからず涙してしまった状態』

としましょう。

そうでないと、

『孫が3歳なのにあんなに上手にピアノが弾けて感動した』とか
『激しいステップを踏みながらバリトンサックスを吹くなんて感動した』とか
『弦が途中で切れたにも関わらず演奏を続けて感動した』とか
『引退を前に紅白に出てくれただけで感動した』とかも入ってしまいます。

ただし、『理由もわからず』というのは
『理由が無い』訳では在りません。
『意識的に原因が解らない』だけで
『無意識、潜在意識』には何らかの原因があり、
演奏がトリガー(キッカケ、縁)となって、
感動という結果をもたらしていると推測されます。

演奏を聴きながら聴衆は、『何か』を感じ、
その答えがわからないまま感動したり、
『何か』を勝手に脳内でストーリーを創造(想像)したりして、
感動にいたるのでしょう。

つまり、感動とは音楽そのものに内在する要素では無く、
観察者(聴衆)との関係性において発生するもの
(何やら量子力学のようになって来ました)
と言えるのでしょう。
1000人の聴衆のうち何%が感動するか?
その公約数を探る研究になってしまいます。
でもその確率のレースで生き残ったのが
バッハやモーツァルト、マイルス、コルトレーンのような
『巨匠』達だと言えるのでしょう。
彼らは聴衆のどんな最大公約数に訴えかけたのか?

これが感動の秘密を握っているのかもしれません。
長くなったので続きは次回に。