前回からの続きです。
ミュージックエイトなどの楽譜のジャズのスィングの表記で
swing_0_0


はちょっとだけ正解と言いました。
このようなニュアンスを言葉のみで表現するのは限界があるという前提を
承知で読んで頂ければ幸いです。可能な限り解説します。

私としては百歩譲ってこう表記したいところ。
swing_0_0


そもそもジャズと言っても色々な時代、
ジャンル、地域別の特色があるのです。

エリントン楽団の『Take The "A"Train』と
パット・メセニーの『 Last Train Home』は
同じ電車でも全然違う曲想ですし、
ニューオリンズの街角で聴こえる『聖者の行進』と
メッセンジャーズの『Blues March』では
同じ4ビートでもグルーヴも異なるのです。


ジャズのグルーヴの秘密を探るために少なくとも
ジャズの歴史をさらっとでも理解しなければなりません。
誤解を恐れず『ざっくり過ぎる解説』をすると

~1910年頃まで【Traditional Jazz、Early Jazz】
諸説ありますが、ジャズはニューオリンズの街角で
ブラスバンド(マーチングバンド)を母体として誕生しました。
参考音源→
基本は2ビートで『ドンチャ、ドンチャ』。
ドンの部分(1拍目と3拍目)はバスドラムとベース(チューバ)、
アフタービートのチャの部分(2拍目4拍目)はハイハット。
また4分音符を刻むギターもしくはバンジョー、ピアノも
アフタービートにはアクセントを置きます。
メロディー、ソロはクラリネット、トロンボーン、コルネット、ヴァイオリンなどが担当します。

8分音符はさほどバウンスしない。
個人的印象ですが8分音符<3連符くらいだと思います。
南部のフランスが統治していた所謂ディキシーランドが中心で
まだアメリカ全土へは広がっていません。

1920年代
この頃になると専業のミュージシャンが増えてきます。
サッチモの愛称で有名なルイ・アームストロングなどメディアに乗った
エンターティナーとしてのジャズミュージシャンの地位が確立し始めるのです。
売れっ子のジャズマンは自分のバンドを持ち興行をするようになったため
ジャズがミシシッピー川を北上し、シカゴやニューヨークに広まる。
繁華街のバーなどで演奏する機会が多かった事から、
楽しいものやムーディーな曲調が多かったようです。
つまり、黒人やユダヤ人たちが生きていくための
『For Sale』なジャズです。


参考音源→


1930年代
世界恐慌からニューディール政策により徐々に景気を回復する中で
ジャズは各地にできたダンスホールを中心に演奏を始めました。
編成も人数が増え、『ビッグバンド』という17名ほどの大所帯となったのです。
所謂、ビッグバンドジャズ、スィングジャズ時代の到来です。

参考音源→

音楽的に言えば、『For Dance』のジャズですので
1、3拍目と2、4拍目のコントラストが強調されたました。
その結果、いわゆるタテ乗りのグルーヴとなります。
より4ビートを感じやすく、数えやすくなりました。

また8分音符はこの時代が一番3連符に近いと個人的には思います。
その方が踊り易いやすかったからだと思われます。

また大音量の中で演奏する為にコントラバス(ウッドベース)の弦高は高くなったので、
ベースの4分音符は『ボン、ボン』と短くなりました。
また、ビッグバンドのアレンジ上、ドラムスは『Fill in』を多用するようになり、
それまでほとんどメトロノーム変わりだったバスドラムを『ズンタトトトドン』のように
フレージングの為に使うように進化しました。

さて長くなったのでここで一旦終わることにします。
次回は『モダンジャズ』以降、つまりポストモダンのお話です。